2022-05-13 工学部生命工学科 新垣篤史研究室「カブトムシの翅」

工学部生命工学科の新垣篤史教授の研究室で見せてもらったのは…カブトムシ!
オレンジの蓋のついた容器に入っているのは標本だワン。
カブトムシといえば、立派な角とつやつやの硬い翅がかっこいいワン。
こちらの学生さんは、カブトムシの翅(上翅)が硬くなる仕組みを研究しているワン。

蛹から羽化したばかりのカブトムシの上翅は、白くて柔らか。
それが、しばらくすると黒く硬い上翅に変化するワン。
よく知られていることだけど、考えてみると不思議だワン。
どういう仕組みなのかワン???

学生さんの研究で、羽化してから時間が経つと、上翅の内部にミクロな積層構造が7~8層形成され、厚みが5倍~10倍になることがわかったワン。
さらに、甲殻類の殻にも含まれる「キチン」という高分子が、タンパク質と結びつくことで、材質的にも硬くなるんだワン。
色が黒くなるのは、代謝によってメラニンなどの色素ができるからだワン。

上翅のミクロ構造とそれを構成するタンパク質を解析する中で、学生さんたちは、キチンにくっつく領域を持ち、親水性や疎水性もあわせもっているタンパク質群を見つけたワン。
これは、これまでに知られていない特徴なんだワン。

新垣先生の研究室では、このタンパク質を調べ、その機能を模倣することで、軽くて硬い材料の開発を目指しているんだワン。
キチンは、生分解性や生体適合性があるので医療用材料の開発などにつながる可能性があるんだワン。
カブトムシの翅を応用した材料、夢があるワン!
写真2枚目は、カブトムシの幼虫を育てているところ。
カブトムシといえば、夏のイメージがあるけど、研究室では温度管理をすることで、羽化のタイミングを調整しているから、年間を通じてカブトムシの様子が観察できるんだワン。

写真3枚目、ハッケンの横にある白い機械は、カメラ!
カメラの前に並んだボトルには、羽化の準備中のカブトムシが入っているワン。
コウケンが学生さんに見せてもらっているのは、カメラの映像。
写真4枚目のように、ボトルの様子がよく見えるワン!
羽化のタイミングをしっかり把握できるよう、こうやって蛹をカメラで監視して、その様子をスマートフォンでチェックするんだワン。
研究をしながら、羽化するまで見張るのも、なかなか大変だワン。

新垣先生の研究室では、生物の構造変化のメカニズムについて、カブトムシ以外にもいろいろな研究をしているワン。
来週は、磁石を作るというすごい特技を持った細菌を紹介するワン!

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